1.大学等の在学者の経済的状況
近年の経済情勢を背景に,我が国の家庭においては,世帯収入が減少する
一方で,大学等の授業料は上昇しており,また私立学校の入学者において
は,入学時に必要な費用の負担感について「重い」と感じている家庭が9割
以上に及んでいるとの調査結果もみられるなど,高等教育の費用は,家計
にとって,実感を伴って重い負担となっている。
特に近年,低所得層だけでなく,中所得層においても教育に係る費用が負担となっているという指摘もある。
また,高等教育段階への進学率の上昇等とあいまって学生等の多様化も
進んでいる。例えば,社会人学生の受入数は,専修学校を中心に増加傾向
にあるが,諸外国(OECD平均)に比べ,社会人の割合は圧倒的に小さ
い
2.我が国の学生等への経済的支援の状況
文部科学省においては,意欲と能力のある学生等が安心して修学できる
環境を構築するため,独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」とい
う。)の大学等奨学金事業,国立大学・私立大学の授業料減免等への支援(公立大学の授業料減免は地方財政措置を通じて支援),ティーチングアシスタ
ント(TA)・リサーチアシスタント(RA)に係る経費の支援等を実施し
てきたところであるが,近年の経済情勢や家計の状況により,授業料減免
や奨学金等による支援に依存している学生等が増加している。
3.学生等の卒業後の状況
最近の経済状況の好転を受けて,現下の就職率(就職希望者に対する就
職者の割合)については,改善の傾向を示しているものの,その一方で,我
が国における雇用慣行,産業構造・労働市場の変化により,15~34歳の
うち,非正規雇用が平成25年度には533万人(平成24年度:416万
人)に達している。加えて,高等教育機関を卒業した30代から50代の
者のうち,約3分の1が年収300万円以下にとどまっているなど,卒業
後に厳しい経済的状況に置かれているのが現状である。
4.学生等の経済的状況から見る課題
このように,今日の学生等は,高等教育段階への進学時から在学中,卒
業後を通じて,厳しい経済的状況に置かれる者も少なくない。特に,生活保
護世帯やひとり親家庭世帯,児童養護施設入所者や退所者等,家計の特に厳
しい者については,中退率が高く,また大学等への進学率も一般に比べ低い
等の傾向がある。
学生への経済的支援の在り方に
関する検討会
平成26年8月29日
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