2015年3月5日木曜日

第2章 学生等への経済的支援の意義と目指すべき方向性

1.学生等への経済的支援の意義

奨学金や授業料の減免をはじめとする学生等への経済的支援は,憲法及び 教育基本法で保障されている教育の機会均等を実現するために国が責任を 持って取り組むべき責務である。平成26年1月に施行された「子どもの貧 困対策の推進に関する法律」(平成25年法律第64号)の趣旨も踏まえ, 経済的に困難な状況にある者に対して,教育面も含めた支援の一層の充実が 求められている。

また,高等教育の受益者は学生等本人であると同時に,我が国の将来の社 会,経済,文化の発展を支える人材育成という観点からは,社会全体が受益 者である。加えて,高等教育での修学を経て,経済的に安定した生活を送る ことができる者が増加することにより,将来の生活保護費や医療費,失業給 付等の抑制が見込まれるといった社会全体に対する経済的な効果も期待で きる。

意欲と能力のある学生等が,学校種の別,設置者の別にかかわらず,高等 教育段階への進学を断念することのないよう,また進学した学生等が学資の 捻出のため長時間のアルバイトを強いられることなく,学業に十分に専念で きるよう,学生等の学びを社会全体で支えることが極めて重要である。

2.将来的に目指すべき方向性

このような,学生等の学びを社会全体で支えることの重要性に鑑み,各 国においては,給付型奨学金をはじめ,学生等に対する各種の経済的支援策 が展開されている。

我が国も昭和54年に批准した「経済的,社会的及び文化的権利に関する 国際規約」において留保を付していた,高等教育についての「無償教育の漸 進的な導入」(第13条2(b) 及び(c))について,近年の法令整備や 予算措置の状況に照らして,平成24年9月に留保を撤回したところである。 今後も引き続き高等教育の無償化に向け,漸進的にその導入を目指すことが 求められる。

このためのステップとして,
①授業料減免等の給付的支援の充実により負 担軽減を図るとともに,
②現行の機構の貸与型奨学金については, ア.奨学の観点 意欲と能力があるにもかかわらず経済的な事情により進学が困難な学生等に対しては,進学の際や在学中に,必要な学資を確実に提供すること。
その上で,卒業後の所得に応じた返還方式(所得連動返還型奨学金。所得 に応じた返還が行われる。)を導入することより,将来の返還への不安を 払拭すること。
イ.育英の観点 経済的な事情により貸与型奨学金の支給を受けた学生等のうち,特に 優秀な成績を修めた学生等へのインセンティブとして,奨学金の返還を 免除すること
等の仕組みの構築・充実を図っていくことが必要である。


学生への経済的支援の在り方に 関する検討会 平成26年8月29日

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